遙けきも遠い一世紀の自転車は、驚くほど町並みに馴染んでいた。
パスレーサーって知ってます?1930年代にイギリスで誕生した自転車なんですけれど、今ではなかなか見ることのできないレな車種。イギリスのブランドpashleyからリリースされている1車種を除けば、現存するのはこのGaston 3(ガストン3)くらいなのでは。
そんなパスレーサーを現代に復活させたのが、西海岸ブランドのLinus bikes(ライナスバイク)。フランスのヴィンテージ自転車を現代的な切り口で復活させてきた同ブランドですが、近頃は海峡を越え英国まで食指を伸ばしてきた模様。トラディショナルな要素を踏まえつつ、現代的なアレンジもトッピングする余裕っぷり。80年以上前のパスレーサーが違和感なく日常に馴染むのは、こんな味付けのおかげなのかも。
モデルの身長:174cm
真っ直ぐどこまでも。一途な安定感!
パスレーサーのルーツを紐解くと、そもそもはレース用に開発されたトラックバイク。未舗装の細いコースを走るため、求められたのはこの上ない安定感。必然的に長いホイールベースと太いタイヤに落ち着くことになり、かくも個性的なフォルムを手に入れることに。ガストン3もこれらの特徴を採用しており、ドッシリとした安定感を味わえます。
また英国ブランドのSturmey Archerの内装3段変速ハブを標準装備しているので、ちょっとした勾配に強いのもポイント。クロスバイク感覚で使えるのも嬉しい限りです。太めのハブなので、フロントにダイナモハブをインストールしてみても面白そう。砲弾型ライトやBrooksのレザーサドルなどで、ガストン3をドレスアップしちゃってください!
余計な主張や打算はしない。とめどない起源への敬意。
ルーツへのオマージュを感じるカラー使いは、Gaston 3(ガストン3)に限らずLinus bikes(ライナスバイク)のお約束。フレームからーはもちろんですが、クリーム色の太いタイヤはパスレーサーの定石。カッパーのベルも、差し色という大役を見事に果たしてくれております。
パーツはシルバーを中心に構成されており、クラシックな雰囲気を壊す愚行は避けている模様。カスタムベースとして面白い自転車ですが、パーツはシルバーでまとめたほうが無難かも。そのまま乗っても魅力的なので、好みの範囲で遊んじゃいましょう!